先日「京大病院の肥満症治療について」という研究会にスタッフと一緒に参加しました。最近の肥満症の治療はかなり進化しています。私が医学部を卒業したころは食事療法と運動療法しかなかったです。今でもこの2本が柱ですが最近ではGLP1受容体作動薬が登場し肥満症の治療が一歩進化したと思います。
GLP1受容体作動薬は糖尿病治療薬として数年前から保険診療に用いられていますが、肥満症の治療薬として保険適用されたのはここ最近です。が、この薬は京大病院を含むいくつかの医療機関でないと使用できません。もちろん今のところクリニックでの使用はできないのです。
またもう一つ肥満症に大きな効果を示している治療は胃切除術です。2年前の内科学会、糖尿病学会でも大きく取り上げられたこのテーマ。その講演を初めて聞いた時には「肥満症で胃を切る?」というのが正直な感想でした。しかし講演を最後まで聞いた時、内科治療ではこれほどの効果を生むことはできないなぁと思ったことを思い出しました。そして今回京大病院での外科治療の成績には本当にびっくりしました。何がびっくりしたって、糖尿病が寛解している(治ってしまっている)のです。
糖尿病の治療はこれまで食事療法、運動療法、薬物療法の3つでしたが、これからはここに外科療法が加わり4つになることを実感しました。
医学医療は日進月歩です。今日治らない病気が明日は治るかもしれない。すべてのタイプの糖尿病が寛解する。すべてのタイプの糖尿病が予防できる。そんな日が来るといいなと思います。